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農(脳)的生活~のうてきせいかつ~

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田中角栄~日本列島改造論~

本日は、前から読みたかった「日本列島改造論」(田中角栄著・昭和47年発行)を読みました。
その中で、kingpenguinsが特に重要だと思った部分を、備忘録の意味も込めて、ここに記します。
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◆土地は、生産できず移動もできない。供給の限られた土地は、国民全体の富と福祉の増大に役立つよう、有効に利用しなければならない。そのためには、土地利用について私権よりも公共の福祉を優先させることが大切である。個人の土地所有権が個人の財産として尊重されるのは当然だが、土地のうえに個人と公共の利用が競合する場合、公共の利用が個人の利用に優先すべきことは論をまたない。


◆有料道路制をしいたときには、「道路は無料公開の原則に立つべきものだ」という議論があった。これに対し私は「たしかに二点間を結ぶ唯一の路線は無料であるべきだろうが、複数の路線がある場合には有料でもよいではないか。」と主張して、結局、あの法律が制定された。
(※補足:「あの法律」とは、昭和27年に公布された『道路法』のこと。当時、道路はすべて国のものであり、無料であった。これを田中角栄をはじめとする国会議員の議員立法により、受益者負担+全国に高速道路網を整備するという観点から、一部有料道路制へと転換させる『道路法』が成立した。逆の発想で高速道路を無料化にしようとする民主党の考え方に、kingpenguinsは共感できません。「無料」と言ったって、天からお金が降ってくる訳ではない。じゃあ、誰が負担するのか?結局は国民の税金です。)


◆明治、大正生まれの人びとには自分の郷里に対する深い愛着と誇りがあった。故郷はたとえ貧しくとも、そこには、厳しい父とやさしい母がおり、幼な友達と、山、川、海、緑の大地があった。志を立てて郷関を出た人びとは、離れた土地で学び、働き、家庭をもち、変転の人生を送ったであろう。室生犀星は「故里は遠くに在りて思うもの」と歌った。成功した人も、失敗した人も、折にふれて思い出し、心の支えとしたのは、つねに変わらない郷土の人びとと、その風物であった。
 明治百年の日本を築いた私たちのエネルギーは、地方に生まれ、都市に生まれた違いはあったにせよ、ともに愛すべき、誇るべき郷里のなかに不滅の源泉があったと思う。


◆一億を超える有能で、明るく、勤勉な日本人が軍事大国の道を進むことなく、先進国に共通するインフレーション、公害、都市の過密と農村の過疎、農業のゆきづまり、世代間の断絶をなくすために、総力をあげて国内の改革にすすむとき、世界の人びとは文明の尖端をすすむ日本をそのなかに見出すであろう。そして自由で、社会的な偏見がなく、創意と努力さえあれば、だれでもひとかどの人物になれる日本は、国際社会でも誠実で、尊敬できる友人として、どこの国ともイデオロギーの違いを乗り越え、兄弟づきあいが末永くできるであろう。


一読しただけなので、もう少し詳しく読みたいと思っています。田中角栄は功罪あったと言われますが、やはり尊敬すべき偉大な政治家です。
by kingpenguins | 2010-05-04 23:41 | 【農+政】