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農(脳)的生活~のうてきせいかつ~

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日本の森林が買われていく

日本の山林が外国資本に二束三文で買われ続けている問題について、NHKの番組で、この問題に関する特集がありましたので、備忘録の意味も込め、ここに記載します。

・日本は国土の68%が森林(世界第2位。1位はフィンランドの74%)。そのうち6割が個人所有。

・森林は資産価値が年々低下。外資が買いやすく、ターゲットになっている。

・ただし、外資が日本の森林を買う目的は、今一つはっきりしないと言われる。
(北海道で全体の実態調査を開始。)

・現状では、山林購入後、乱開発をされても止める術がない。

・農業用地は、農業委員会等での厳しい審査あり。

・これに対し、日本の森林取引は見えにくい。森林は、事後報告のみで済む。簡単。(1997年6月の規制緩和:森林売買手続きの簡素化が原因)

・結果、企業の森林取引急増。時を同じくして、外資が触手を伸ばした(外資の言い分では、『土地を買っておくと5~10年で価値が高くなる。』とのこと。)

・日本の森林購入は儲からないと外資に思わせるように持っていかざるを得ない(税率を高くしたり、購入手続きを煩雑にしたり、用地転用に関する規制を強化するべき。)

・排出権取引:こういった新たな価値が木材売買以外に生まれていることに、外国は気づいている。

【五島列島(長崎県)の事例】
■過疎地は本国から助けてもらえない、見放される。それなら外資に頼るしかない→中国企業(上海)と提携。

■昭和30年代、畑をつぶして杉を植林したが・・・現在、木材の価値はピーク時の1/4になってしまっている。日本林業の深刻な不振。

■よって、外資と提携。これがこの島(五島)の生きる道と覚悟を決めている。


・外資がいつごろから日本の森林を買い漁り始めたのか?
→2002年ごろから世界経済は好転。この頃からマネー流入。

・日本の山林業を営む人びとは、既に山に対する気持ちが萎えている。山林を売りたがっている山林所有者は多い。

・1ha(100m×100m)がたったの20万円で取引される。安い。それでも売る人がいるのが現実。これは珍しくないこと。山林所有者の高齢化が進んでいる。山林所有に対する展望が開けない。

【3点セット】
外資にとって、以下の3点セットが揃っている日本の山林はとてもお買い得となる。

①伐採の時期を迎えている木が揃っている(一から植林する手間が大幅に省ける)
②CO2の排出権取引など、今後の新たな価値の発生により、莫大な利益が見込まれる。
③地下水資源の活用(国際的な水紛争の影響)

・このような状況に対し、一定のルールを設けるべきではないか?

・北海道議会 平成22年6月25日
「外国資本等による土地売買等に関する法整備を求める意見書」を可決。

・北海道にて、292haの森林が英国企業によって買収された。防災水源保全を目的とする、水土保全林が9割以上。水を蓄え、土砂崩れを防ぐために利用。
これに違反する開発を行ったとしても、法的には罰金30万円のみ。規制がないに等しい状態。

・公共性の高い森林でも、一旦所有すれば自由に使える。(所有者の権利が保護され過ぎている)これが日本の土地制度の現状。地租改正(明治6年)以来続いている。

・これに対し、ドイツ・フランスでは、公共の利用のために所有者の森林利用が制限されている。


◆農林水産業の政策については農業政策が最優先され、林業振興・保全等の対策は後回しになり、結果、こういうとんでもない事象が起こる。
日本が合法的に外国に乗っ取られ、自分自身の国から湧き出る水を、外国人から高額で購入するハメになる前に、早急に法整備を行うべきである。
(まずは農地と同じく利用制限を大きくかけるべき。)
by kingpenguins | 2010-09-08 01:16 | 【農+政】